>> おおかみ こどもの 雨と雪
>> English Title: Wolf Children
>> 監督: 細田守
>> キャスト: 宮崎あおい, 大沢たかお, 菅原文太
>> 制作: スタジオ地図, マッドハウス
>> オフィシャルサイト: 「おおかみこどもの雨と雪」公式サイト
>> 予告編
母は強し
一見、子供向け、ファミリー向けなんだが、
対象年齢は大人だと思う。
序盤からいきなり、さらっとベッドシーン!?あるし
最中はモチロンないが(笑)始まりと終わった後、裸で二人がシーツに包まって寝ているカットあるし、子供にはあのカットはねェ・・・。
お話は凄くよかった。
主人公の花(雪と雨の母親)の素朴だけどたくましい生き様は心打たれました。
宮崎あおいさんの声の演技が凄くよかった。
でも終わり方が微妙なのが残念かな。
あんな終わり方だと、花が一人苦労だけして全然報われない感だけが残る。見終わってなんだか悲しくなった。
花って幸薄いんだよね。
あーいう人には幸せになって欲しいのね。ハッピーエンドで終わると見終わった後の気分はとても良いんだが。
それでも花は自分の人生に悔いは無く幸せだったのかもしれない・・・、
子供がそれぞれ自分の生きる道を選んび巣立っていったから。
でもね、もう少し花に幸せになって欲しい、幸せな姿を見て終わりたかった。
たぶん話としての構成・時間配分だと思うのよ?
雨の変化はなんか唐突だし、アレだと去り方が酷い!あれだとお母さんがかわいそすぎる!雨の親不孝者めっ!って感じ。
「それでも私は幸せ」と花は言うとおもうが。
雪は別れのシーンも無く「全寮制の中学」へ入学、語りのみでプッツリと退場。駆け足ではしょりすぎ。あれどーなのよ?
もっと上手く終われなかったかなぁ?監督さん!脚本の人ッ!
やっぱ物語の終わり語って大事だよ。
それまでがよかったのに、唐突だから、なんかまるで連載打ち切りでラスト急ぎ足で終わったかのようだorz
ま、
とはいえストーリーは凄く良いんだけど、
それをブチ壊すとっっっっても残念な部分がある。
CGの使い方がとても残念で雰囲気をぶち壊している
水がリアルすぎて画から浮きまくってる(><)
瀧とか湖とか3DCGがセル画のテイストと全く合っていないんで気になって物語に集中できない!
特に瀧のシーンがセル画と全くなじんでなく乖離っぷりがハンパない!実写素材を使ってるのかどうかしらないけどアレは失敗だよ。リアルすぎ!
あれはCGプロダクションのエゴ丸出しというか、独りよがりの暴走マスターベーション!こういうの迷惑なんだよね、見てて萎えます。
何でもかんでもリアルにすればいいもんじゃないっつーのッ!
花が3DCG的な動きをしていて浮きまくってる(><)
確かにテクスチャーはセル画と同じテイストなんで違和感は無いように思えますが・・・、
あくまで動画ではなく静止画として切り出せばの話。
動画だと動きが妙にリアルすぎてというか、動きが3次元すぎてみてて気持ち悪い。
確かに水はCGすぎてセル画のテイストと乖離してるから簡単に違和感あるってのはわかるよね。
しかし、テクスチャーとレンダリングのテイストをセル画と合わしたとしても、
セルアニメとしてはありえない「いかにも3DCGの動き」は、映像として観ると、画から激しく浮きまくって気持ち悪くなるんだなぁと思った。勉強になります。
3DCGってのは色々と演出を広げる便利な道具なんだけど、作品全体トータルでテイストをあわしてバランスを取らないと見るに耐えない画になってしまう。
これはCGとVFXを用いる映像作家の課題だよね。
総評
★★☆☆☆【/2.8 可。】
いい部分と悪い部分が混在している。なので余計残念な映画。
・ストーリー
・花のけなげさそして強さを描けている部分とそれを表現している宮崎あおいさんの演技
これで、 ★3.8 満足、良!
・話の終わらせ方、話の構成(時間配分やバランスとか)
これで、 ★1.8 微妙。
・ヒトリヨガリで画のバランスをぶち壊しの3DCG効果
これで、 ★0.5 ダメダメ。
※ このブログの審査基準、星の価値観はコチラで説明しています。
話の終わらせ方は人それぞれ価値観があるんで何ともいえません。そう考えると★は3.8で良作といえますが、
CGにに携わっていた人間としてはこれだけは許せません!
もしかしたら、こういう効果が「スゴイ!」と思う人がいるかもしれません・・・、
いや、これだけデジタルが溢れた現在ならみんなの目は肥えてるハズ!侮ってはいけません!
やはりアニメの動きと 3DCGの動きは違います!
上手く融合させ同居できればいいんですが、監督が俯瞰して作品を捉え暴走する技術屋の手綱をきちんと握らないとこのように「乖離した気持ち悪い画」になります。
なんでもリアルが良いわけじゃない!
それなら写真が生まれた時点で画家はもう用が無いです。(実際写真が発明されたとき自殺した画家は結構いるようです)
いい映画は「技術がすごい」「リアル」じゃなく「いいディレクションされた映画」だと思います。
それを再確認させられた映画でした。
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パーマリンクを変えてしまったおかげで表示されなくなってしまいました。
折角コメントいただいたのにスイマセンm(__)m
パーマリンク変更しても何とか表示できる方法を現在模索中です。